Thursday, 31 January 2013

マンガ考

ビルの広場に人がそれも若い学生世代が、昼過ぎから座って何やらステージが始まるのを待っていた。寒いのにコンクリートの上に肩を寄せ合っている。中に頭の禿げたおじさんも混じっている。何のステージかと聞くと、きゃりーぱみゅぱみゅだそうだ。それを聞いて余計に、そのおじさんが小さく見えてきた。あの人は一帯どういう気なのだろうと。

電車の中でマンガを読んでいる大人もそうだ。ネクタイスーツ姿でいい年してマンガを読んでいるのを見ると、腹立たしくなる。“小さな大人”が成熟を意味するなら、“大きな子供”が未成熟な日本人と重なるからだ。同時に、文化と国の荒廃を感じるのだ。ただ結構数が多いので、ある時これは社会現象かと思い始めた。確かにマンガならぬアニメは、今や列記とした日本のソフト産業になって、随分前から世界で浸透し始めた。「めぞん一刻」は20年前からフランスで人気があったが、日本の狭いアパートを舞台にした青春話が受けていた。また先日もNHKフランス語講座で、フランスの学生が教授に、「マンガを勉強するので日本に留学したい」というスキットを使っていたのに驚いた。知らないのは自分ばかりで、いつの間にか世の中は変わってきているのだ。

かく言う私も、子供の時は分秒を惜しんでマンガを読んだ。今でも、外国の名所旧跡で求めるのは小学生向けのマンガ読本である。本だと英語で苦労するが、マンガ本だと時間的に節約できるからだ。あまり偉そうなことは言えない。

No comments: