近くて遠い国、それは韓国と中国と昔から言われている。特に中国のことは殆ど知らない。思い出してパール・バックの「大地(The good earth)」を読み直している。1900年初頭の中国を描いた物語で、パール・バックはこれで当時ノーベル賞を取ったという。
面白いのは、人は死期が近づくとお棺を取り寄せ、横に於いて一緒に寝る習慣だ。お棺でもピンからキリまであるので、少しでもいいお棺が運び込まれると、病人は安心して死後に夢を馳せるのだそうだ。今風に考えるととても気味が悪いが、然したる医療もない、死と向かい合える時代の産物だった。それから、喪に服する期間が当時は3年と長かった。この期間、家族の祭事は厳禁され時間が止まった。勿論相続も含まれたので、故人の財産は凍結され、頭が冷えた頃に分割された。
その他、結婚相手探しは親族に頼む習慣、妾・奴隷の余生は保証されたこと、蓄財の銀貨・宝石は壁や地下に埋めて隠す、今でいう箪笥預金が一般的だったこと、農民は貧しいが土地にしがみ付けば生きて行かれたこと等々、古き良き時代の中国が満載している。その後の共産党、文革・・・と続く暗くて重い時代を思うと、とても隣国を感じるのである。
No comments:
Post a Comment