著者は紅衛兵をやる一方で、共産党幹部から反体制のレッテルを張られる両親、些細なことで迫害された人々を見てきた。そこで分かったのは、文革に名を借りた内部抗争、それも毛沢東の保身だった。自分を守ろうと内部に敵を作り、権力に近づく者を粛清する、それも大衆の私的な嫉妬、恨みのはけ口を利用する稚拙な手法だった。これで林彪、劉少奇、鄧小平を追放した。
読んでいて、最近首相になった周近平が「汚職を撲滅する」と言っていたのを思い出した。当時もこれを理由に走資派をでっち上げ、自己批判させた。一党独裁だから、子弟を優先させるのはごく自然なことなのに、いざとなると強権に出る。今回はどうなるのだろう。毛沢東の肖像画はまだ天安門に掛かっている。亡霊が出てきて、内部の敵どころか外部の敵を作り出さねばいいが。
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