ルノートルと聞くとお菓子を思い浮かべる人が多いが、フランスで有名なのは造園家のルノートルである。スペルもお菓子屋がLenôtre に対し、後者はLe Nôtreと定冠詞が入る。庭園家のルノートルはベルサイユやチュエルリーの公園を造った人で、パリを訪れた観光客なら誰でも一度は目にする幾何学的な光景である。
ところで、暫く前に備中高梁を訪れた時だ。倉敷から伯備線に乗ること1時間、そこには頼久寺という美しい日本庭園があった。今から400年前、当地の家老小堀遠州の作という。まるで京都を思わせる空間で、これが後の枯山水庭園の祖になったようだ。こんな田舎が発祥とは知らなかった。
当地の高台には備中松山城の立派な城壁が残っている。まるでピレネーの史跡を思わせるような佇まいだが、大石内蔵助が出て来る。赤穂明け渡しの7年前、彼が奇しくも明け渡しに立ち会った因縁の場所だったという。日本にはまだまだ奥深い場所が多い。
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