Monday, 26 December 2011

キューリジュースの秘密

市場やスーパーの食料コーナーに行くと、キュウリの塩漬けが樽に入って売っている。所謂ピクルスである。こちらの人は、大きなキュウリをランチ代わりにバクバク食べる。いつぞや美女がかじっているのを見て、興醒めしたことがある。

ところでこのキューリの塩漬けを、ジュースにして飲む慣わしがあるという。決して美味しいとは思えないが、実はソ連時代の抵抗の一つだったらしい。いつぞやこのブログで紹介した歌の祭典は、国民の心を一つにする重要なイベントだった。ソ連の支配下、歌は唯一の自己表現として独立を勝ち取る力になった。このジュースも当時、飲む人が飲むと静かなファイトが沸いてくるものだったらしい。正に知る人ぞ知る魔法のジュースだった。

この国の人々は寡黙だ。男同志が怒鳴り合い、女が奇声を上げる光景は殆ど見たことがない。あまり静かなので、時としてひんやりした寒さすら感じる。まだまだ国民性を分かるには時間が掛かるが、ピクルスの酸っぱさにその秘密があるのかも知れない。

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