林景一著「アイルランド・・・」の中に、”ギネスはそこで飲むのが一番美味しい”と書いてあったのがずっと気になっていた。ビールは何と言っても作りたてに勝るものはない。札幌のサッポロビール、生麦のキリンビール、そして今回は旅の終わりに、ダブリンのギネス工場でギネスビールを飲むことにした。
市の中心に位置するギネス本社、車を降りるとチョコレートの匂いがして来た。一遍の薀蓄が終わり、最上階の展望ルームに辿り着くと、ダブリンの町が眼下に広がる素晴らしいパノラマだった。遥か彼方には、夕陽を浴びたウィックロー山に雲が流れている。そして注がれた一杯のギネスビール、クリーミーな透明感がありこれぞ至福の時であった。各国から来た人達、特に若い男女が出来立てのギネスと共に、忘れえない時を過ごしていた風景が印象的だった。
ギネスの成功はその製造方法も然る事ながら、何と言っても創始者のアーサーギネスが9000年リースを結んだことである。ダブリン市の中心に位置するこのセントジェームズゲート(St.James`s Gate)を、1759年に45ポンド/年で9000年間借り上げた。土地には、ウィックロー山から流れ出る豊富な水の水利権も付いていた。こういうのを先見性というのだろう。
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