Friday, 9 December 2011

シシリーのカタコンブ

コルレオーネ村に行く途中、陽が暮れたのでブルジオという名もない村に泊まることにした。「ホテル、オテル、ホステリエー……」知っている限り言葉を並べても全く通じない。暗い中、黒いコートを着て屯う年配の男たちの視線が一斉に注がれる。やっと1人の男が「タバコ屋に行け」と云うので、入るとその2階が宿だった。

レストランは1軒だけあった。お腹が空いていたので、大きなピザと豚肉のマッシュルーム添い、そして地元のワイン1本を頼む。田舎でも流石イタリアは美味しい。全部で2000円ちょっとと懐も有難い。珍客にと村の宣伝ビデオを流してくれた。村に住む教会の鐘を作る職人や、昇天祭の祭りだった。血を流すキリストを担いで若い男が町を練り歩く光景は、日本の神輿とそっくりだった。


翌朝、タバコ屋の主人が言葉が話せる弟を連れてきた。数年前に父親が死んだので、この土地に戻ってオリーブ畑をやっていると云う。序に村の教会に面白いものがあるというので連れて行ってくれた。行くとカタコンブで、何と骸骨が衣装を施し安置されていた。司祭、夫婦、恋人、子供、色々な骸骨がいる。何故かあまり気味悪くない。帰り際、畑の小屋に立ち寄り、樽から出したオリーブ油を土産にくれた。「10月に早めに収穫するので、エキストラバージンだ」と云われた。

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