久々のロンドンは活気があった。来年にオリンピックがあるためか、2階建てバスが新しくなり、高層ビルが増えた。そしていつ行っても人種のるつぼだ。入国審査からムスリムの黒いスカーフを被った女性に「何日いるのか」と、これには思わず「貴女の方は大丈夫?」と聞くところだった。タクシーに乗ればパキスタン人の運転手、地下鉄ではアラブ、アフリカ系のみならず、ヨーロッパの少数言語も聞こえてくる。中華、インド料理も相変わらず美味い、何世代もここに住み付いている産物だ。人種が溶け合い、それでいて落ち着いた雰囲気がある。
ミュージカルは”ウィキッド(Wicked)”にした。少々分かり難かったが、緑の肌を持つ魔法使いを巡り、偏見とは何かをテーマにしているように見えた。混沌とした人種社会をコミカルに比喩し、終わってみれば拍手喝采、劇の世界はロンドン社会そのもののようだった。英国病から完治し、イギリスは実を取って生きている。
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