国を守る言語
本屋に行くと、真新しいエストニア語の書籍が山積されている。ショッピングモールには必ず本屋があり、そのスペースも広い。この国の人口は130万人、その内50万人がロシア人なので、エストニア語を使う人は70万人程しかいない。それを考えると、一体誰が買うのかと思ってしまうことが良くある。
背景には、政府の力の入れようがあるようだ。教員資格や国籍取得などに、エストニア語の試験を義務付けていたり、エストニア人と結婚した人を対象に語学教育を施している。加えて、この国には(昔の日本の様に)書籍で棚を飾る文化がある。いつぞやのブログ「My Estonia」の中でも、田舎の家に不似合いなバルザック全集が並んでいた。長い冬を過ごすのに本は欠かせない。
ヨーロッパの国は言語を大事にしている。言語が見えない壁になって、外国文化の侵入を防ぐからだ。典型的なのはフランスで、アカデミー・フランセーズが外来語を一つ一つ仏語に置き換えている。昔、”コンピュータ”まで、わざわざ”オーディナターフ”という仏語を作っていたのに驚いたことある。ともあれ言葉を大事にする国は強い。
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