Thursday, 27 October 2011

ロシア版の大奥

日本から来た人が最近の話題書「大奥騒乱」を置いて行った。江戸大奥の確執を描いた時代劇だった。当地のカドリオルグ公園にもそれに似た逸話があった。ただこちらは世継ぎではなく女帝の話である。

当地のカドリオルグ公園は、1700年代初頭、ロシアのピョートル大帝が奥さんの為に作った公園である。ピョートル大帝はロシアが西洋進出した原点で、この人が居なかったらその後のソ連も無かったと云われている。その意味で歴史的に大きな役割を果たした。

一方奥さんの名前はエカチェリーナ(ロシア語をエストニア語読みするとカドリオルグ)1世という。実はこの女性、元々は現ラトビアのアルクスネ(Alūksne)という村に住んでいた農民の娘であった。さぞかし美しかったのであろう、ロシアがスウェーデンと戦った大北方戦争の際に、その村を通りかかった司令官が17歳の彼女を国に連れ帰った。そしてその娘を見染めたのがピョートル大帝で、司令官は娘を大帝に献上、大帝は極秘裏に結婚した。大帝が死んだ後は、彼女が女帝になったというので、今で云えば玉の輿である。つくづく歴史はいい加減だと思う。女帝はカドリオルグ公園を一度も訪れることはなかったが、今となっては立派な観光名所として市民の憩いの場になっている。

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