Wednesday, 28 September 2011

ピンと来ないユーロ危機

ユーロ危機が始まって久しいが、1ユーロが100円近くになってきた。私の経験だと、ユーロは120円から160円の間を行ったり来たりするものだと思っていた。やはり事態は予想以上に深刻なのだろう。


ところが当地に居ると、その危機感があまり伝わってこない。大きな理由は3つあると思う。第1は域内貿易が多いため決済通貨はユーロ建て、つまり企業に為替リスクがないこと。強いて言えば財政負担による税や公共料金、住宅金利の上昇等が懸念されるが、実施されるまでタイムラグがある。第2はこれは経済ではなく政治問題だということ。先日もTV座談会で、大手のCEOが「この危機を乗り越えるコンダクターが居ない」と嘆くと、IMFの専務理事は「結局はギリシャの政治家の問題」と切り返していた。第3は欧州の国民性である。多くが人が経済より宗教や芸術の世界で生きている(気がする)。


ユーロ圏は強い経済国がより強く、弱い経済国がより弱くなるシステムである。強い国、例えばドイツはその結果黒字になり、弱い国、例えばギリシャは赤字になる。ところが、その不均衡を是正するために、ドイツはギリシャの債権カットを行うので、結局は均等化される互助会だ。個人的には、”長年の知恵が解決してくれる”と楽観しているが、どうなることやら。

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