Sunday, 7 August 2011

アイルランド紀行~タイタニック号

映画「タイタニック」で、ディカプリオ演じる青年が令嬢を連れて3等船室に行くシーンがある。そこは軽快なバイオリンに合わせて踊る賑やかな別世界であった。これこそがアイルランド社会であり、甲板を歩く上流社会の英国人と対照的であった。若い二人の関係も、当時のアイルランドの置かれた立場で見ると面白い。

アイルランド人はとても気さくである。パブでもロンドンのように格式ばらず、ワイワイガヤガヤ日本の居酒屋のようだ。結構大声で話すので騒々しい感じさえする。カウンターで見ていると、3人に2人は黒のギネスを飲む。ギネスは首都ダブリンの産、苦いと思っていたが、水のような透明感がありすっかり虜になってしまった。




ところでこのタイタニック号、出港はイギリス南部の港町だったが、造船は北アイルランドのベルファストで行われた。ベルファストと言えばIRA、北アイルランドの首都だが英国領になっているため独立運動が続いている。町には「我々はまだ屈しない」の垂れ幕が掛かっていたり、警察の装甲車が巡回している。現在も当時のドックが保存されており、今更ながらその大きさに驚く。何故か無くなったはずの製造元ホワイトスターライン社の建物まである。アイルランド人の誇りは大きく、土産物のマグネティックに「タイタニック号を作ったのはアイリッシュマン、沈めたのはイングリッシュマン」と書いたものを売っていた。

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