Friday, 1 July 2011

夏の訪れ

春のある日、窓を開けていたらカナリアが飛び込んで来た。どこかで飼っていたらしく、人懐こく、餌をやると喜んで食べる。誰も引き取り手がいないので、結局その日から一緒に暮らすことになった。ピーピーといい声で鳴く。そのカナリア、日の出と共に鳴き始めるのはいいが、今では朝4時になってきた。日の暮も大分延びて来た。夜の11時に夕焼けを見るのは変な気分だが、食事を終えてベランダでのんびり過ごす時間は何ともいえない。


先日まで雪のように舞っていたタンポポも消えてきた。バルト海のひんやりしていた風も、大分和らい出来た。町は週末の歌祭りに地方から集まってきた人で溢れて出している。10万人が一度に会するというので、普段ガラガラの市電も東京のラッシュ並である。一方でバカンスシーズンに入ってきたので、車の数はめっきり減ってきた。地元産のイチゴやスイカも出始めた。やはり幾分スペイン産より安い。


公園では水着姿で太陽を求める人が多い。一見無用心に思える光景によく出くわすが、とても覗き見する気分にならない。短い夏を我挙って太陽を求める、何か生存本能のようなものを感じるからである。とてもひと事ではない。今日から7月、待ちに待った夏が始まる。

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