Monday, 20 June 2011

原発のジレンマ

エストニア経済を支えているのは、電力料金の安さにある。KWhの当たりの電力料金は6円程度とドイツ・日本の半分程度である。外資の生産拠点が多いのも、この光熱費の安さが1つの魅力になっている。

その秘密は”オイルシェール(Oil shale)”にある。オイルシェールは油を含む岩石であり、この国ではエネルギー源の90%を賄っている貴重な資源である。ただ問題も多く、生産量は世界の70%を占めるように他国では殆ど使っていない資源でもある。それは燃焼の際に発生する温室効果ガスが多かったり効率の問題らしい。採掘現場は西のロシア国境近く、ロシア人居住地に集中する。今でも、ぼた山が多く残る決していい環境とは言えない地域だ。

この安いオイルシェールも、このまま堀続ければ早くてあと20年で枯渇してしまうという。問題はその後である。政府は2023年までに原発を始めると宣言していたが、ここにきて福島の問題が出て来てしまった。原発についてはドイツがいち早く2022年までに全廃、イタリアも先の国民投票で圧倒的多数で廃止を選択したように、欧州の世論は圧倒的にNO!になってしまった。まだ時間はあるとはいえ悩ましい問題だ。

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