Tuesday, 14 June 2011

サーレマ島のピサ灯台

週末、この国で一番大きいと言われる島サーレマ島(Saaremaa)に行ってみた。首都タリンからバスで4時間、途中フェリーに30分ほど乗り継いで行く。シーズンとあって、普段は人気のない島も帰省する人や観光客で賑わっていた。フィンランドから来た音楽隊が野外公会堂で演奏会を披いていたり、ドイツからの自転車旅行など様々だ。

この島の特徴は何もないことだ。古代遺跡、そそり立つ岸壁といった景勝地もない。あるのは見渡す限りの海と牧草地だけである。しかしその素朴さを求めて来る人が絶えないという。人々は農家に泊まり日光浴や釣りで過ごす。

島の北に海に立つ灯台があるというので行ってみた。国立公園になっているため車を置いて歩くこと1時間、やっとのことで辿り着いた。以前は陸に立っていたらしいが、今は浸食されて海が満ちると海中に水没してしまう。勿論無人だ。一度押し寄せる波で大きく傾いたが、その後引き潮で押し戻され今の傾斜になっているという。正にピサの灯台だ。辺りは群生するカモメが羽を休めているだけっで人っ子一人いない。

ところで冬の時期、凍りつくバルト海をどうやって渡るのかと思ったら何と氷上を車で走るという。一定間隔を取って重さが偏らないようにするというが、今まで氷が割れて事故になった事もないらしい。そういえば、昔スウェーデンがデンマークを破ったのも、厳冬期に凍った海を馬で渡った氷上進軍が功を奏したと、本に書いてあった。

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