Monday, 13 June 2011

ウクライナ

中公新書の「物語・・・の歴史」シリーズは、その道の専門家の執筆とあって大変お世話になっている。

その中でも、黒川祐次著「物語 ウクライナの歴史」はとても面白い。著者が外交官ということもあり、学者にない枝葉のバランスがとてもいい。枝では、何度か歴史上の独立の機会を探っておられるし、葉ではコサックの結婚、バルザック恋など、それだけ取り上げても本になるような話題をよく集めている。バルザックが当時遥々ウクライナの未亡人を尋ね、結婚し、しかしその長旅が原因で生涯を閉じたのは今から想うとロマンだ。それからチャイコフスキーのピアノ協奏曲の採譜の件は、とても興味深い。お会いしたことがないがお人柄が所々に感じられる本である。

ウクライナは勿論行ったこともない。ただこれが縁でとても身近になった。

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