Friday, 3 June 2011

人口減少の怪

エストニアは小国ながら順調な経済発展を続けている。1人当たりのGDPは14千ドル、大よそ日本の1/3程度だが、10年前が4千ドルだったので凄い勢いで伸びている。2011年の1Qの経済成長率は8%とヨーロッパの中で一番高かった。

ところが、国を支える人口はずっと減少している。1991年の独立をピークにどんどん減り続き130万人になってきた。多くは旧ソ連国籍の人が帰国したためであるが、死亡率が出生率を上回ったのも一因していた。また移民の問題もある。先日発表された数字だと、昨年は5,200人がドイツ・アイルランド・米国に出て行った一方、フィンランド・ロシア・ウクライナから2,800人を受け入れたという。つまり移民の流出が続いている。若いカップルに「将来どこで働きたいか」と聞くと、即座にシンガポールだ中国だと返ってきた。5月1日から緩和されたEUの労働移動規制もこれを後押ししている。従来バルト3国、ポーランドなど東欧5か国には労働移動にいろいろ規制があったが、これが解禁されたのだ。

このパラドックスの秘密は何なのか?答えはゲートウェー型の経済と言われている。つまりシンガポールのように、税制の優遇、快適な環境を用意し外資を誘致する手法である。日本も人口が減り始めている。この辺何か参考にならないだろうか?

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