巧くいっている理由にはいくつかある。まずユーロ導入に当たり、エストニアクローンは何年も前からペッグで安定していたこと。加えて導入の物差しになるGDPに対する公的債務や財政赤字の比率が、エストニアの場合極めて良好であったことにある。特に公的債務比率は7%とEUの中で最も低い(因みにギリシャは150%、日本は200%)。また財政収支はそもそも黒字だ。
ユーロとは強い国がより強くなり、弱い国がより弱くなるメカニズムである。弱小国は為替の切り下げによる経済調整が出来ないのが最大の問題だ。ただドイツなど勝ち組が得するかというとそうでもない。ギリシャ問題はいい例で、結局弱い国を助けなくてならない宿命がある。ドイツが「金が返せないなら、島の一つでもよこせ!」というのはよく分かる。エストニアに待っているのはこうした他国への支援義務である。
ともあれ、ローカル通貨を持っていた人ならわかると思うが、ユーロの安心感は何にも増して格別だ。
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