
Nobelは天涯独身、孤独な事業家だった。ダイナマイト工場が世界20か国にあったため、この行き来に多くの時間を費やした、秘書も連れずに。プライベートでも唯一思いを寄せた花売り娘にも裏切られたという。そんな中、死の前年遺言書(写真)を書いた。遺言書は遺産運用は安全な有価証券で行うこと、分野毎の賞の選考機関まで細かく指定した。弁護士を通さなかったことが、解釈を巡ってその後の混乱を招いたようだ。ともあれ、それが今日のノーベル賞になっている。
ストックホルムのノーベル博物館に行ってみたが、並み居る受賞者の業績はあまりに難解過ぎて、伝わるものが少なかった。物理、化学だけでなく身近な経済、文学でもそうだった。ただスーチー女史やマンデラなどの平和賞は分かり易った。時代を経て、個人の意思がスウェーデンの国家戦略に置き換わっているのかも知れない。賞金は1人10百万クローネ(約13百万円)、基金が現在400億円とも500億円とも言われているので、何%で廻っている?・・・・など下世話なことばかり考えた。それにしても、100年以上も利子だけで賞金を賄っているのは大したものだ。
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